2014年7月21日の室内楽コンサートは大盛況のうちに無事、終演いたしました!!
写真はリハーサル風景。残念ながら終演後の写真を撮り逃してしましました。。
プログラム前半のフォーレのピアノカルテットとシューマンのピアノクインテットも素晴らしかったですが、ここではプログラム後半のカプースチンの作品について取り上げたいと思います。
後半のプログラムは以下の通り。
カプースチン
ヴァイオリンソナタ op.70 より第1楽章
ヴィオラソナタ op.69 より第1楽章
チェロソナタ第2番 op.84 より第1楽章
ピアノクインテット op.89 (全楽章)
3つの楽器それぞれのソナタを聴くことができる演奏会も珍しいでしょう!楽器に込めた作曲家の思いが伝わってくるような気がしました。
ヴァイオリンソナタは、カプースチンの音楽のパレットがギュッと詰まった作品のように感じます。カプースチン独特の和声感やリズムを感じられる作品でありながら、突如みずみずしい綺麗な音楽が流れたり、または悠々と歌うと見せかけてすぐジャジーな音楽に移ったりと、全体の音楽は移り気なようで、実はカッチリとソナタ形式で書かれているというのがカプースチンらしいですね。
演奏も、軽快で明るい音楽と美しい旋律の音色とが、シーンごとにガラッと変わっているのにそれぞれが融和していて素敵でした。特に第2主題は、ピアノとヴァイオリンが溶け合ったような素敵なハーモニーを味わいながら聴いていました!
ヴィオラソナタもまた、大変味のある素敵な曲でした。プログラムの解説(川上昌裕氏直筆の解説)によると、カプースチン本人がとても気に入っている曲だとか!本人が「新しい着想に満たされた」と言っているように、カプースチンの新しい側面を見ること(聴くこと)ができたなぁと感じました。というのも、解説にもあるように調性はほとんどなく、ほぼ無調音楽のように書かれているようでした。しかし無調のようで違和感なく聴くことができるというのがまた不思議でした。
またヴィオラの音色の素晴らしいこと!ヴィオラがソロ楽器としてこんなに色彩を持っているとは知りませんでした。温かい音楽と不思議なリズム・不思議な調性感が融和した作品でした。きっとカプースチンはヴィオラが好きなのでしょう。聴きながらそんな風に思いました。それからヴィオリストの渡邉さんが以前、カプースチンの作品について「温かみのある音楽」とコメントしていたのを思い出していました。
さて、チェロソナタは「これぞまさにカプースチン!」といった作品で、ジャジーでトリッキーで更に美しい音楽をそのまま、お二人が息ピッタリに演奏されていました。チェロという楽器は音域が大変広いのですが、カプースチンはどうやらそれを最大限に利用しようとしたのか、チェロの音域を5オクターブ以上使っているようでした(楽譜を見て数えたわけではありませんが。)なんせ、チェロ譜はヘ音記号表記が普通であるのに、楽譜を拝見したところト音記号の高音域がこれでもかと沢山出てくるのです!
カプースチンの攻め具合には驚きました(笑)
しかしお二人の演奏は圧巻!!格好良いリズムや和声、そして超絶技巧が見事に調和していて、そこにロシアを思わせる美しい音楽が現れる。素晴らしい作品に素晴らしい演奏。素敵でした!!
そして最後に演奏されたのがピアノクインテット。こちらはカプースチンファンなら誰もが知る名曲ですね!
ここまでソロ楽器のソナタを聴いていたのが、一気に音の厚みが増して会場の雰囲気も最高潮に!これだけの難曲を一夜で聴けるのもまた贅沢な話だなぁとしみじみと思いました。クインテットでは特に、演奏者の5人もノリに乗っているというか、このスリル感のある音楽を楽しんで弾いているようでした。
カプースチンをこれだけのプロの演奏者に弾かれる機会は、日本でははっきり言ってほぼありません。刺激的で貴重な時間でした。
今後益々の普及が見込まれるカプースチンですが、協会としても演奏会を続々と企画中です!!その都度アップして参りますので、皆さまお見逃しなく!!
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